グーテンベルクの銀河系 活字人間の形成/M.マクルーハン
¥1,800 税込
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1986年2月発行
表紙カバーに日焼け、角擦れあり。
15世紀にグーテンベルクが発明した活版印刷により、出版文化という膨大なメディア空間が出来上がった事で変化した社会を、活版印刷が普及し始めたルネサンス期を軸に前後を対比させて考察を進めるマクルーハンの大著。グーテンベルグの作り出したメディア銀河は、旧来の宗教や哲学、科学、芸術を革新させ、その影響は電子技術によりさらなる変化を遂げた現代へと続いているとマクルーハンは語りかけます。そして、現代はルネサンス期のようなメディア革命がやってきており、さらなる変化を遂げているのではないかと、予見的な著者の説が展開されます。
とまぁ、こんな感じで自分なりに書いてみましたが、勝手なことばかり書いてますね笑。
グローバルヴィレッジという言葉をまだインターネットが普及する以前に提唱している電脳空間の司祭のようなマクルーハンの言葉の中には、現在において感じているのだけれど、うまく言語化されていない社会変化のヒントが多く隠されているように思います。
マクルーハンの言葉に「われわれはバックミラーを通して現代を見ている。われわれは未来に向かって、後ろ向きに進んでゆく」という言葉がありますが、テクノロジーは車のように高速ですすみ、我々は現在を通り過ぎた過去としてバックミラーを通してしか見れていない、とそんな意味なのかと私は捉えました。
インターネットによって劇的に変わった社会変化を感じていても、その進む先は見ておらず、過ぎ去った過去としてしか現在を見れない。あぁその通りだなと共感はしましたが、やっぱり車乗っててちゃんと前が見えていないって危ないですよね笑。ちゃんと前を向いて生きないといけないなって思います。
シュルレアリスムもメディア空間において、現実が言語によって記号的に扱われ、それが意識の中で撹拌されてコラージュのような感覚が生まれた、なんて諸説をどこかで読んだような気がします。20世紀初頭の電子技術でシュルレアリスムですから、最早光速化している21世紀のメディア空間では感覚の変化をどうなってるんでしょうか。意識は撹拌されるどころか、絶え間ない摩擦で気化もしくは砂塵化してしまい、ただただ非言語的な空虚が仮想空間に広がっていく…。とまぁ私が根拠なく適当に語ってもはずれでしょうが、マクルーハンの緻密な考察は素晴らしいので一読をお勧めします。
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