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リテラリーマシン ハイパーテキスト原論/テッド・ネルソン著 竹内郁雄+斉藤康己

¥1,700 税込

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1994年10月初版
表紙少しヤケ

「リテラリーマシン 電子出版、ハイパーテキスト、思考のための玩具、未来における知性の革命、さらに知識と教育と自由に関してまで言及する、ザナドゥ・プロジェクトの周辺とそれ自体を語る報告書」

本はこの壮大な書き出しで始まります。1990年代にHTMLが開発され今では当たり前のように普及していますが、1960年代から現在のインターネットに近い構想を既に描いていたXanaduプロジェクトの考案者であり奇人テッド・ネルソンの思い描いた未来を語った怪作。インターネットの原案者に挙げられることもある著者ですが、結局Xanaduプロジェクトはずっと実現せず、なぜか1960年に提唱され、54年後の2014年に一般公開されています。

テキストの共有やリンクの概念、ウィンドウによる閲覧など、まさに現在のインターネットそのものだなって納得する箇所や、未だ実現はされてないであろう著者の構想が散見しています。技術的な所は私自身疎いのでよくわからない箇所もありましたが、いずれ来るべきインターネットの仕組みを予言者のように語る著者の熱意は十二分に伝わってきます。

私が本書で気になったのは2点。一つはハイパーテキストにより、知性が解放されて、知識は一部の閉鎖的なエリートたちだけでなく、多くの人々に共有されて新しいサブカルチャーを生み出されること。二つ目は思想が拘束され、思想警察のような存在が生まれプライバシーがなくなること。そして、この両面が将来衝突するだろうと著者は説いています。

「未来はずっと歩み続けるだろう。そして、情報にアクセスする(自由な人々の第一条件だ)者とそのアクセスを抑圧したい者との戦争は長引くだろう。この戦争は人類が粘り抜く限り続くものだ。」

著者は語ります。

ちなみに、テッド・ネルソンのハイパーテキストの原案になった、MEMEXという情報検索システムの概念をヴァーネヴァー・ブッシュという人が1945年に提唱しています。この方は原子爆弾開発者チームの一員でもあります。何か因果でもあるのでしょうか。




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